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毎年、国税庁から、相続税の税務調査の件数や申告漏れがあった件数などが公表されています。
平成27事務年度(平成27年7月1日から平成28年6月30日)における実地調査の件数は11,935件でした。
前年(平成26事務年度)は12,406件でしたので3.8%減少しています。
平成23年に国税通則法(税務調査手続き)の大きな改正があり、調査官の事務作業が増加したこともあって、調査件数は年々減少傾向にあります。
実地調査件数11,935件のうち、申告漏れ等の指摘があった件数は9,761件で、申告漏れ割合は81.8%となっています。
税務調査がくると、なんと8割は追徴課税がなされるのです。
申告漏れの多い財産の内訳は、現金・預貯金等1,036億円が最も多く、続いて土地410億円、有価証券364億円の順となっています。
追徴税額(加算税を含む。)は583億円で、実地調査1件当たりでは489万円となっています。
注目すべき重加算税の賦課件数は1,250件、申告漏れが指摘された件数のうち重加算税が賦課された割合は12.8%となっています。
国税庁が昨今力を入れているのが海外資産絡みの事案です。
資料情報や相続人・被相続人の居住形態等から海外資産の相続が想定される事案など、海外資産関連事案については、本事務年度においても積極的に調査を実施するとされています。
もう一つ力を入れているものが無申告事案です。
無申告事案は、申告納税制度の下で自発的に適正な申告・納税を行っている納税者の税に対する公平感を著しく損なうものであることから、資料情報の更なる収集・活用など無申告事案の把握のための取組を積極的に行い、的確な課税処理に努めるとされています。
なお、平成27事務年度に行われている調査の対象は、改正前の平成25年に申告された事案が主な対象となっています。
したがって、平成27年改正の影響は数値にはまだでてきません。
平成27年分の相続税申告への税務調査の統計が公表されるのは平成29事務年度となります。